Key of Life-現代を生き抜くためのメッセージ Section4

016 失踪した先生

もう一人の「ちびっこ機関車君」の話。
それは、失踪した娘の担任のこと。

説明会で教頭は言った。
担任だった先生を見つけ、戻るよう説得した…
だけど彼は「もう学校には戻らない」と言って
立ち去ってしまった。

そして月日は過ぎていき。
終業式の前日を迎えた。
その日、学校のポストに1通の手紙が入った。
差出人は「失踪した先生」

手紙を開けると
かつての教え子たち一人ひとりへの
メッセージが書かれていた。

「ごめんなさい。先生はこころの病気になってしまった…」
〇〇君は、〇〇なところが素敵だったよ。
〇〇ちゃんは、これからは〇〇をしたらいいよ。

代役の先生は、それをコピーし
子どもたち一人ひとりに手渡した。

失踪した若い先生!
君は、心の病気に苦しみながら…
どんな思いで、そのメッセージを書いたのか。

手紙をもって家を出たとき…
どんな思いで、学校へと向かったのか。
そのことを考えると、心が痛む。

知ってほしいことがある。
君の示した「勇気」は、大きなものだ
苦しみのなかでも、子どもたちを思い
愛を示してくれたからだ。

人生を生きるとは「選ぶこと」
君もまた、子どもたちを助けるために、山を登った!
あの日、君が振り絞った勇気を
僕は、ずっとずっと、覚えておきたい。

017 何かできることはありますか?

苦しいこと、悲しいことを経験したとき
どんな言葉をかけてほしいだろう? 

「何かできることはありますか?」という言葉。
それは善意からだと知っている。

だけど…そう聞かれたなら、大抵
「ありがとうございます。大丈夫です」
と答えるしかない。

あまりにも苦しく、悲しいとき
人は、何をしてほしいのかさえ、わからなくなる。
そんなとき、多くの人が遠くから叫ぶ!

「何かできることはありますか? どうぞ教えてください」
「ありがとうございます…大丈夫です」
こんな繰り返しを、死ぬほど聞いてきた。

もちろん、してほしいことを、ちゃんと言わなければ
相手に伝わらない―そうした反論があることも知っている。

してほしいことも聞かずに
勝手に何かをするのは、余計なお世話だ―そう考える人もいる。
もっともらしいが、あまりに論理的すぎる。

相手が何をしてほしいのか、そんなに分からないものなのか?
いつから私たちは、遠く離れて、人の幸せを願うようになったのか?

苦しむ人を見たなら、もっと相手の近くまで行くんだ!
そして、あなたの思いやりを示したらいい

悲しむ人を見たなら、もっと相手の近くまで行くんだ!
そして、思いきり抱きしめたらいい。

苦しむ人と共に苦しみ、悲しむ人と共に悲しむ
そういう人に、あなたは成りたかったんじゃないか!

018  金色の鳥と灰色の鳥

この世界には「金色の鳥」と「灰色の鳥」がいる

「金色の鳥」は、キラキラした目で言う
「あなたを愛しています!」

でも「灰色の鳥」はそっとつぶやく
「あなたに私の何がわかるのか?」

「金色の鳥」は、いつも幸運を手にし、輝き続けている
だけど「灰色の鳥」は、手のなかにある、たった一つのことさえ奪われる

「金色の鳥」には「灰色の鳥」のことが見えないし、理解できない。
彼らには、すべての人が「金色の鳥」に見えるからだ。

しかし「灰色の鳥」には「金色の鳥」がみえる。だからこそ辛いのだ。
「灰色の鳥」は、ずっとずっと、闘ってきた!
その苦しさを理解できるだろうか?

「灰色の鳥」の心を、あなたにわかってほしい!
そして、助けてほしい!

だって「灰色の鳥」は、あなたの心のなかにいるのだから。

019 カウンセラーになったらどうだろう?

どんなに遠くへ旅してみても
空っぽな心は 空っぽなままだ。

どんなに豪華な料理を食べても
空っぽな心は そのままだ。

誰かに相談したって わかってくれる人などいない。
所詮、人は人の気持ちなど わかりはしない。

あなたは、そう話してくれた…
その通りだと私も思った。

人生というやつは あまりにも不公平で
幸運な人々は、すべてを手にするが
負け続ける奴は、ずっと負け続けるんだ

あなたが、さらに思いを込めて話してくれた…
まったくそうだ!と私も強く答えた。

「じゃあ、どうすればいいわけ?」
と、あなたが聞いたので、私は提案してみた。

「カウンセラーになったらどうだろう?」

だって、あなたは空っぽの心を知っている。
誰からもわかってもらえない虚しさを知っている。
人生の不公平さも、負け続ける口惜しさも知っている。
あなたのようなカウンセラーがいてくれたなら
苦しむ人々は、癒しを得られる。
そう思わないか?

だから、僕は真面目にお願いしたい。
もしあなたが、人生に苦しんだことがあるなら
そして、今も苦しんでいるなら。
あなた以上に、カウンセラーにふさわしい人はいない。

020 私がカウンセラーに?

「もちろん!」 
あなたには、その力がある。
何よりあなたは、苦しむ人の気持ちがわかる。
ほかに何が大切だろう?

そう言うと、あなたは少しだけ目を閉じ
遠い昔に思いを馳せた。

「お前になれるわけがない!」
「自分がどんな人間かわかっているのか?」
「お前には何の才能もない!」

ひどい言葉をたくさん聞いた。
そして、何も言い返せなかった。
だって、それは本当のことだと思ったから…
だけど…もしかしたら…それは違うのかもしれない。

私は誰よりも傷ついてきたから、その人の気持ちがわかる。
私は誰よりも悩んできたから、その人に寄り添える。
今は、そう思える!

これは私だけが持っている「力」なんだ!
その「力」を、苦しむ人のために使いたい!

あなたは目を開け、そして言った。
「どうすればいいんですか? 教えてください!」

僕は答えた
「もちろん!どうしたらあなたが素晴らしいカウンセラーになれるのか、教えましょう!」